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京都祇園の中国人観光客「当たり屋」疑惑は事実なのか?【インバウンドニュース】

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2015年8月21日に京都祇園で、中国人観光客が徐行していたタクシーにぶつかり、被害者とその家族は慰謝料として10万円を要求、運転者がそれに応じ支払うという出来事(事件、ではない)がありました。詳しい事の顛末は「祇園」「当たり屋」とかで検索するとニュースやらブログやら出てきますので、そちらをご参照ください(※注:その後、タクシーではなく「料理屋の女将」が運転していた車であったことが判明しました)

なぜ8月の事件が今になってメディアに露出し始めたかと言いますと、10月4日から中国で微博を中心に以下のような画像が出回ったからなのです。そこから更に、10月5日あるテレビ局の報道記者が、「スクープ」として、「日本京都の当たり屋事件は本当だった!」という報道をし、中国人観光客が京都で様々なマナーに反する行為をしている、改善をすべきだ!と訴えたそうなのです。
 
外部の画像は基本拝借しないとせんばプロジェクトなのですが、これがないと進まないので事の発端である画像を掲載させていただきますと
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何となくおかしいですよね?文章も言葉遣いも使う漢字も、とても公的なものとは思えません。それで、中国ではこれがねつ造なのかどうかということでネット上ではかなりの騒ぎになったというわけです。その後もWeibo、We Chat上でいろんな画像が出てきて各自検証したり主張したりしていますが、もはやどの画像がねつ造でどの画像が本物かすらわからなくなってきます…。

 
なので当サイトでは安易に結論が出せませんが、ネット上の情報を総合的に判断しますと、

・この画像に関しては本物であるらしい。但し、「ケガがない」というのは間違いで、実際は打撲により湿布を処方している、という「お詫びと訂正」が同じ協議会から出されたとの事(メディア報道などから本物と思しき画像を掲載します)

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・運転者が中国人観光客(画像文中の老人)に10万円支払ったのも事実らしい

 
つまり、問題の発端は「当たり屋」という表現を使った中国メディアの記者、(事実であることを前提に言いますよ!)一番悪いのは実際とは異なる内容でお知らせを出し、あたかも犯罪が起きたかのような文章を作成した協議会にあると言えます。

 
はあ、こうしてメディアや体制の批判をしたところでどうにもならないってわかってますよ、ええ。当サイトがただ願うのは、皆様がこういう中国もしくは中国人が絡んだ事件を時には悪意の伴った刺激的な見出しで飾っているのを見かけたとき、その文字ヅラに踊らされずに一旦は立ち止まって事の真偽を考えるクセをつけていただきたい、という事です。

 
まずこれは事実らしいのですが、運転手は自分の入っている保険で本件を処理しようと考えました。ただ、保険が下りるのには時間がかかり、相手は日本に住んでいるわけではない。その方は日本語も話せない(家族も含め。周りの台湾人旅行者が現場を手伝ったという説もあり)ので、その後の交渉も送金も大変。となれば日本に滞在中に支払おうと考えるのはごく自然の流れですね?
 
次に10万円という金額が高いか安いかに関しては日本人としては判断が分かれますが、実際ケガをした事実はあるわけですから、中国の方としては恐らくこう考えるでしょう。
 
「国に帰った後に症状がどうなるかわからない」
「その後の旅行行程を無駄にする損失はいくらか?」
「純粋な慰謝料はいくらか?」
 
などなど。これはもう文化や習慣の差であり、自分の正当と考える金額を相手に要求したのでしょう(多少多めに言っている可能性は十分アリ)。ただ、これを「脅迫」だの「恐喝」だのと言う犯罪行為として表現するのはいくら何でも行き過ぎです。我々日本人だって、車にぶつけられてケガをして、「1万円上げるからなかったことに」と言われればみんながみんな「1万円やたー!ラキー!」とは思わないでしょう?

 
最近はインバウンド、爆買い集客、免税店とニュースには事欠かない日々が続いていますが、中国に限らず相手国の文化や習慣を最低限は理解する、ひとつの情報に対してその背景に思考を馳せてみる、という事にはあまり力点を置いていない方も少なくないような気がします。急激に外国人旅行客が日本へやってきてホテルが足りない!のと同じように、メディアで外国文化や習慣を理解した上で記事を書ける方だって不足しているのかもしれませんよ。自分以外に判断基準などないのです。だから何でも信じちゃダメ、ゼッタイ!

 
ただ、もちろん日本へ観光に来てマナーを守れない中国の方がいるのも事実で、だからこそ今回のような見出しのニュースが出れば「待ってました」と批判されてしまうのです。そこのところは中国人観光客の方にしっかりしていただきつつ、日本の方もそろそろ中国関連の刺激的な見出しの事件に対しては信ぴょう性を疑うクセをつけてくださいね。特にインバウンド関連セミナーとか開催されている方、頼みますよ!「先日も祇園の方で当たり屋事件なんてのがあったようでけしからんですね」とかいう講師がいたら、時間とお金がもったいないのですぐに返金してもらって退出してくださいね(笑)。←と冗談めかしてますが、ホントにいそうでコワイです

 

今回の出来事は、実はかなり多くの事を我々に考えさせてくれます。

・外国人観光客をケガさせてしまった場合どう対応すべきか(先ずは日本人同士の場合と同じように対応しましょう。外国人だからと慌てない)
・その際言語コミュニケーションをどうしていくのか?(あなたの保険会社は多言語対応している?)
・お見舞いの気持ちをどう表現するのか?(金銭なのか?態度としてはどう表現?)
・メディアの影響力(日中共通)
・ネットの影響力(良くも悪くも。今回はネットによりむしろ事実に近づいた)

そして一番問いたいのがコレ。

アジア圏の訪日旅行客をどこかしら見下していませんか?

 

そうでなければ、祇園の協議会の最初の「お知らせ」、あんな文章は公にされないでしょう。どうも運転手ご本人の了解さえとっていないかったようですよ。文章を書いた当人がどういうつもりは知る由もありませんが、普通に受け止めれば私が上述している「待ってました!」族にしか見えません。

 
そしてメディア。本ニュースを見て頂ければわかりますが、確かに記事の内容の中では「当て逃げの事実は確認できていない」と言ってますよ。ただ、見出しは

「京都・祇園で中国人観光客のトラブル相次ぐ 「当たり屋」疑惑も持ち上がり、外国メディアが報道」

記事読む前にご丁寧にどんだけ先入観植え付けてくださるのか?これって本来、事実も確認せず中国人観光客を犯罪者同様に扱った祇園の協議会を批判するトコじゃないんですか?日本人だろうと中国人だろうとダメなものはダメでしょう?それを他のトラブル絡めてあくまで中国人観光客に問題があるかのように表現するとは、よほど旅行をしている方々がうらやましいんですね。見下すというのは「羨む」と紙一重だと思いますよ。
 
おっと、冷静な私の割には語調が強くなっていますね、大変失礼いたしました。
皆様、是非メディアの作った中国と、現実の中国は全く違う国だという事を忘れないでくださいね!(中国メディアの報道を批判する人に限って、自国の報道をすぐに信じるんだよな…)

 

※本記事は、2015年10月7日17時に公開されたものに修正・加筆をしたものです。具体的には以下の内容となります
・実際に事故を起こしたのはタクシーではなく「料理屋の女将」であった事を追記しました
・協議会からの「お詫びと訂正」画像を掲載しました
・本記事で批判しているニュースにリンクを貼りました
・「まだアジア圏の訪日旅行客をどこかしら見下していませんか?」という文章から「まだ」を削除しました。元からそんな風に感じたことのない方々も多くいらっしゃるためです。失礼な表現で大変失礼いたしました
 
以上となります。今後もとせんばプロジェクトをよろしくお願い申し上げます。
 

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