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免税売り場を分けるリスクは実は結構大きい【インバウンド考察】

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国慶節は既に過ぎましたが、訪日中国人観光客の「爆買い」に関するニュースは後を絶ちません。最近ではテレビのニュースでも「各小売店の爆買い対応策にも変化が」
みたいな感じで、売り場の取材やらインタビューやらが放映さえたりもしていますが、その中のひとつの施策として、某百貨店の担当者が

「免税専用売り場を一般の売り場と分けることによって、旅行客以外のお客様にはゆっくり買い物を楽しんでいただき、中国人観光客の方にも購入しやすい環境を作る」

というような類の話をされていました。メディアも新しい対応策として取り上げています。

 

って、ナニこの逃げ腰な対策!?

 
いえいえ、いいんですよそれはそれで。確かに効率はいいかもしれませんね。免税手続きも時間かかる、言語の問題もある、人手の問題もある、百貨店の落ち着いた雰囲気も維持できる良い事づくめです。
 
ただ、これって「手間のかかる中国人観光客はまとめて隔離」しているようにしか感じないのは私だけでしょうか?ものすごい違和感があるのですが。

 
・中国人観光客のパワーがすさまじく、一般の日本のお客様がゆっくり買い物できない → よし、売り場を別に!

・各売り場に中国人観光客対応ができる人員を配置し切れない → よし、売り場を別にして1か所に集結だ!

・中国語人材に日本百貨店式接客を教育し切れない → 売り場が別なら教育の手間も省けるぜ!

 
私が中国人観光客であれば、「この百貨店で買い物を楽しむのではなく、欲しいものをたまたまこの百貨店で買うだけ」という気分になりますね。本末転倒です。

 

気持ちがわからないわけではないですよ。確かに中国人観光客の爆買いというのは「指名買い」が圧倒的に多いわけですし、ゆっくりショッピングする時間もなくバーッとやってきてバーッと買ってバーッと免税手続きしてバーッと去っていく。それにしっかり対応しようと思ったらこういう方法になっただけかもしれません。

しかし、百貨店にブランドは必要ないのでしょうか?

「当店では従業員に中華圏のお客様にも満足いただけるよう、全ての売り場で教育に力を入れております」
 
「その上で当店の空気を乱す行為が見受けられました場合には、ご退店いただく場合もございます」

それが中国人観光客にとっても、「自分は〇〇百貨店で悠然と買い物ができる」という優越感を持っていただく事に繋がります。ドラッグストアでも家電量販店でも百貨店でも同じように集客して同じように対応していいわけではないでしょう?自社の人材を教育するのと同時に、来店者をも教育していく事が今後の差別化になるのではないかと思うのですが?

 

企業として他の小売店と競争しなければならないのはわかります、独自の施策を打ち出さなければいけないのもわかります、その結果が現状は逃げるしかない、というところに落ちつくこともあるでしょう。ただ、あくまで私個人の感じ方ですよ、こんな後ろ向きな方法で解決しようとしたのであれば、メディアに取り上げられること自体が恥ずかしいから取材はお断りなさい、と言いたいですね。

 
中国の方は日本人よりはるかに面子を重んじる国民です、ってインバウンド初級セミナーでみなさん習っているはずでしょう?人によっては「この百貨店は日本人ゾーンと一緒に買い物はさせてくれないのですね」と捉えられる可能性十分ありますよ。そしてそういう中国の方ほど、今後のリピートが最も見込める層であるかもしれないことを十分に理解いただいた上で対応策を練られた方が良いと思います。

 
今回の某百貨店の免税売り場を完全に分ける、というやり方には首をひねらざるを得なかったため記事にしました。真っ向勝負(=先ず自分が変わる、そして少しずつ相手にも変わってもらう)しない施策は長続きするはずがない!という融通の利かない男の意見ではありますが、やっぱり相手の気持ちを推し量るところから何かが始まると思いますので、今後そういうニュースが飛び出してくるのを楽しみに待っております!

 

 

【著者プロフィール】

【本炭康典(もとずみ やすのり)】

株式会社メイシージェーン代表取締役
出身地:千葉県 血液型:O型
通称:なっとう、笨蛋、など

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【主な経歴と活動】

明治大学を卒業後、フリーのライターをやったり浅草で人力車を引いたりしながら、いつの間にか中国関連のビジネスに従事する。

2009年に当時勤務していた会社の社内プロジェクトとして、上海に「角谷(上海)貿易有限公司」(http://www.nadou-kadoya.cn/)を総経理として立ち上げ、当時仕事を全然しない部下を強気で解雇して労働局に駆け込まれたりと泣きべそをかきながらも、2014年春の帰国までに同社の商標である「角谷(かどや)」納豆を中国全土に幅広く流通させ、現在同ブランドは高級スーパーを中心に約200店舗の納品を継続している。
尚、同社ホームページの「ご挨拶」ページでは未だに「総経理:本炭康典」となっているが、これは単に同社がホームページ更新をサボっているだけであり、現在同社とは「協業」という関係である。

2014年12月に株式会社メイシージェーン設立。越境ECサイトを立ち上げた瞬間に閉鎖するというお茶目な失敗を経験するも、2015年7月より活動を開始した「とせんばプロジェクト」において日中相互理解をベースとした日中間ビジネスを提唱し、現在はインバウンドを含めた日中間ビジネスを中長期で考える企業様、取り組みたいがどの入り口から入ったらよいか決めかねている企業様、日本展開において助力が必要な中国企業様、といった課題の解決及びサポートを行っている。

自身の上海での生活とビジネスの経験を活かし、「メディアのニュースに踊らされない日中間ビジネス」をコンセプトにしているのが大きな特徴である。

 

株式会社メイシージェーンWEBサイト http://macyjane.co.jp
本炭康典Facebookページ https://www.facebook.com/yasunori.motozumi

 
 

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